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『とはずがたり』TOWAZUGATARI(上) を読む

鎌倉時代、後深草院御所に仕えた上臈女房が書き残した作品です。前編は衝撃的内容が問わず語りされる中世王朝物語、後編は西行に倣った修行の旅の記となっています。異色の日記文学を読んでいきます。

長講堂 供養 のこと

 ほんにそうでした、あれは六条殿の長講堂が新しく造営されまして、四月にはお引っ越し
するということとなったときのことでございました。

新しいお堂の供養は、まず先に曼陀羅供が行われまして、公豪僧正を御導師とし、参列の
僧二十人で行われてから、お引っ越しの後に憲実法師の御指導で定朝堂供養が行われた
のでございます。


 お引っ越しの御幸に女房の出だし車が五両ありましたなかで、私は第一の車の左の最上
席でお供いたしまして、左側に京極殿がお乗りになられました。

私はその際に撫子色の七枚襲の衣に、若菖蒲の上着を着ておりました。京極殿は藤色の
五枚襲の衣でございました。

お引っ越しの儀式の三日間は、みな白い衣に濃い紅の裳、唐衣に袴をつけたのでした。




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プロフィール

雅忠女

Author:雅忠女
正嘉2年(1258)生まれ。父、村上源氏・久我雅忠〔中院大納言・正二位〕 母、四条大納言隆親の娘。
二歳で母と死別、四歳より後深草天皇の宮廷で育つ。十四歳から、後深草院に上臈女房として出仕、併せて院の寵愛を受けることとなる。三十二歳の時、出家のうえ諸国行脚の旅に出る(先人西行に倣った旅と跋文に記す)。

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